研究内容

 電子の内部自由度であるスピンのダイナミクスを利用した新しい現象を探索し、これを応用したデバイスやセンサーを実現することを目指しています。そのための基礎となるスピンダイナミクスの高感度センシングと高分解能イメージングの計測技術を重視して研究に取り組んでいます。

 特に、最近ではダイヤモンド中のNV中心を利用した、スピンセンシング・イメージング走査プローブの開発を進めています。このスピンプローブが実現すれば、単一電子スピン、単一核スピンの計測・イメージングをすることも夢ではありません。この新しいツールを完成し、スピントロニクスや量子物性分野の新しい現象をナノスケールで開拓していきます。

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研究室紹介 JAIST NOW 017 AN
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Diamond NV center Spin Probe

スピンダイナミクスイメージング(ダイヤモンドスピンセンサーによる)

 ダイヤモンド中の窒素-空孔複合体中心(NV中心)に存在する単一スピンは、高性能なスピンセンサーとして有用であることが判ってきました(上図)。このNV中心を走査プローブとした高感度・高分解能スピンセンサーを開発し、単一電子スピン、単一核スピンのダイナミクスのセンシングを目指しています。

NV中心スピンプローブはスピントロニクス、量子情報分野への応用も注目されています。

Interaction of Spin and Heat

 

 

 

 図1, スピン波熱移送効果, スピンの集団励起の波であるスピン波を用いてエネルギーを空間的に移送して熱に変換できることを示した。

T. An, et al.: Nature Materials, 12, 549-553 (2013)

 

スピンと熱の相互作用

 近年、熱によりスピンを制御することや、その逆の効果である、スピンにより熱を制御することが可能なことが判ってきました(図1)。材料探索と高感度な熱・スピン計測技術を用いて、スピンと熱の相互作用に基づく新しい現象を開拓することを目指します。

Scanning Microwave Microscopy

 

 

 

 

 図2, 走査マイクロ波顕微鏡によるスピン波イメージング, マイクロ波プローブを用いて磁性体ディスク上でスピン波を励起・計測し、異なるスピン波モード分布をイメージングした。

T. An, et al.: IEEE Magn. Lett. 1, 3500104 (2010)

 

スピンダイナミクスイメージング(走査マイクロ波顕微鏡による)

 ギガヘルツの周波数のマイクロ波を照射することにより磁性体やスピンのダイナミクス(歳差運動)を励起することができます。逆に、スピンダイナミクスは周囲にマイクロ波磁場を生成します。走査型の高周波プローブを用いてスピンのダイナミクスを励起・計測してスピンダイナミクスの空間分布をイメージングします。

ダイヤモンド中心を用いた磁性粒子からの漏洩磁場ベクトルイメージング