研究内容

 電子の内部自由度であるスピンのダイナミクスを利用した新しい現象を探索し、これを応用したデバイスやセンサーを実現することを目指しています。そのための基礎となるスピンダイナミクスの高感度センシングと高分解能イメージングの計測技術を重視して研究に取り組んでいます。

1. Diamond NV center Spin Probe

スピンダイナミクスイメージング(ダイヤモンドスピンセンサーによる)

 ダイヤモンド中の窒素-空孔複合体中心(NV中心)に存在する単一スピンは、高性能なスピンセンサーとして有用であることが判ってきました(図3)。このNV中心を走査プローブとした高感度・高分解能スピンセンサーを開発し、単一電子スピン、単一核スピンのダイナミクスをセンシングすることを目指します。

Interaction of Spin and Heat





図1, スピン波熱移送効果, スピンの集団励起の波であるスピン波を用いてエネルギーを空間的に移送して熱に変換できることを示した。T. An, et al.: Nature Materials, 12, 549-553 (2013)

①スピンと熱の相互作用

 近年、熱によりスピンを制御することや、その逆の効果である、スピンにより熱を制御することが可能なことが判ってきました(図1)。材料探索と高感度な熱・スピン計測技術を用いて、スピンと熱の相互作用に基づく新しい現象を開拓することを目指します。

Scanning Microwave Microscopy






図2, 走査マイクロ波顕微鏡によるスピン波イメージング, マイクロ波プローブを用いて磁性体ディスク上でスピン波を励起・計測し、異なるスピン波モード分布をイメージングした。T. An, et al.: IEEE Magn. Lett. 1, 3500104 (2010)

②スピンダイナミクスイメージング(走査マイクロ波顕微鏡による)

 ギガヘルツの周波数のマイクロ波を照射することにより磁性体やスピンのダイナミクス(歳差運動)を励起することができます。逆に、スピンダイナミクスは周囲にマイクロ波磁場を生成します。走査型の高周波プローブを用いてスピンのダイナミクスを励起・計測してスピンダイナミクスの空間分布をイメージングします。

副テーマ研究 Sub-theme research

高分子化合物におけるラジカル生成

高分子化合物と磁性体粒子の混合物におけるシグナル計測

新型-原子間力顕微鏡(AFM)の作成

液体シリコンを用いたNV中心入りダイヤモンドからの蛍光増強

など